個別指導塾の講師
コミュニケーション能力
生徒と担当の講師は密接な関係になれるほど相談をしたり希望を伝えたり、ありのままの自分の姿を打ち明けやすくなれます。
こまめに授業内容の軌道修正や弱点克服のためにある教科を強化するような特訓を組み込む個別指導塾において、コミュニケーションはかなり重要になります。
これに問題があると生徒の欲求を満たす指導が適切に行えないばかりか、無意味な時間を浪費することにもなりかねません。
ここを知りたい、ここをもっと詳しく教わりたい、そんな生徒のリクエストも親しい講師になら気軽にお願いできますが、コミュ能力の欠落した親近感の湧かない講師にはオファーしづらいものです。
それで損をするのは生徒ですし、個別指導塾ではコミュニケーション能力の高い講師を揃えていることが望まれています。
塾側もそのことは当然ご存知なので、生徒とうまくやって合格させる実績作りのため、評判を上げるため、良好な人間関係を築ける人材を多く採用しています。
講師としてやっていける指導力はもちろん必要ですが、それだけでは個別に生徒と向き合うこの形態の塾では指導者としてはいまいちなのです。
匠な話術で生徒を魅了し、受験日まで二人三脚で一緒に頑張ろうと思ってもらえるような指導者が個別指導塾に多いのも当然の成り行きなのでしょう。
熱血である必要はありませんが、生徒のハートくらいは易々つかめるでしょう。
講師陣の指導力
多人数相手の授業では講師が一方的に喋ったり黒板に書いたりするだけで、生徒からの質問を受け付ける時間は限られています。
これも生徒にわかりやすく授業を行うにはそれなりの話術やテクニックが必要なので誰にでも簡単にこなせる仕事ではありませんが、基本は一方通行なのでそこまで難しいことでもありません。
不意の質問に怯えながらではありますが教科書や参考書の内容を理解している人間ならばそこそこやれるでしょう。
ですが個別指導塾ではひとりの生徒に話しかけることが大半になるので、あらゆる質問に備えておかなければなりません。
授業に関する質問がいつ発せられるかわからない、そんな緊張感の中で指導をするのですから、一般的な予備校の講師陣よりも高い学力と指導力が必須なのです。
参考書を読み上げるだけ、決められた内容を黒板に書き記すだけ、そんな単純な仕事ではありませんから、講師自身も深く理解していなければ務まらないのです。
生徒によって口調を変えたり、理解してもらいやすそうな例え話を用いたり、この辺のテクニックは匠の技と言っても褒めすぎではありません。
マンツーマンでいる時間も長いので人間として、人生の先輩として相談に乗ったりと生徒に頼られることも多々あります。
多感な受験生にとって頼れる指導者、それが必要ならば個別指導塾か家庭教師に連絡をするのがもはや常識となりつつあります。
授業風景
マンツーマンで勉強を見てもらえる個別指導塾ですが、常時ベッタリと講師が生徒に張り付いているようなことはありません。
そこまで贅沢な環境を実現させるとなると、もう家庭教師並の人件費が発生しますので毎月の月謝がとんでもないことになってしまいます。
それを抑えるために指導してもらう時間を少なくするようでは本末転倒ですし、長時間完全に１対１で講師を貸しきりにするのは受験生を抱えるありふれたご家庭では経済的にも困難すぎるでしょう。
では個別指導を謳っている学習塾はどのような授業風景なのでしょうか。
各生徒が一人用の専用ブースで学習をし、分からないことがあれば講師に質問して解決しながら自習をする、といった感じになります。
ひとりの講師が受け持つ生徒、即ちブース数は１０人位となります。
授業を聞くことがメインではなく自習の手助けをしてもらうことになりますから、自ら進んで学力アップさせようという意欲のある生徒でなければ効果は薄いでしょう。
ですがやる気のある生徒なら、躓いたらすぐに講師にヘルプを求められるので効率よく学習することができるのです。
ブースで区切られたスペースでの学習なので他の生徒に邪魔されることもなく、集中して勉学に勤しめるのも素敵な環境です。
このように複数の生徒を同時に受け持つことで、それほど高くはない月謝で個別指導のサービスを提供できるという仕組みになっています。
